49_JAグループ活動報告書_2022
目 次
JAグループの活動報告書2022
JAグループ
A c t i v i t y r e p o r t o f J A G r o u p
農業者のもとに出向き
農業経営をサポートする
青森県・JAごしょつがる
マーケットインに基づき
消費者・実需者のニーズに応える
岡山県・JA晴れの国岡山
生産資材価格と生産技術の
両面から生産コストを低減する
宮城県・JAみやぎ登米
スマート農業による省力化で
農業の働き方改革を実現する
埼玉県・JAほくさい
自然と共存した環境保全型農業に取り組む
滋賀県・JA北びわこ
労働力支援や新たな担い手の育成支援で
生産現場を支える
福岡県・JA筑前あさくら
JA運営への参画を通じて
女性農業者の活躍を後押し
富山県・JAなのはな
JAの事業・活動を通じて農業の応援団の輪を広げる
長野県・JA松本ハイランド /広島県・JA三次
総合事業で組合員に寄り添い生活インフラを支える
岐阜県・JAぎふ /北海道・JA新すながわ
食農教育で次世代に食と農をつなぐ
愛知県・JA愛知東
子育て支援の拠りどころをつくる
石川県・JA小松市
農林中央金庫
“食と農”の分野で積極的な投融資
農業者の所得増大に取り組む
JA全農
持続可能な農業と食の提供に向けた取り組み
JA共済連
保障提供と地域貢献活動を通じ
持続可能な農業と地域社会に貢献
社会的課題に対してJAが果たしている役割
農業のさらなる発展・成長のために
安心してくらせる地域社会のために
全国連の取り組み
23 不断の自己改革によるさらなる進化
対談 中家徹JA全中会長
×林修先生
特 集
協同組合・農業協同組合(JA)とは
「食」の課題
4 「農」の課題
5 「地域」の課題
JAグループの組織
6
7
はじめに
これからも
※本書は、2022年までのJAの事業・活動を中心にまとめたものです
和歌山県・JA紀南 /徳島県・JAアグリあなん
鹿児島県・JAそお鹿児島
AgVenture Lab
社会的課題に対して
対談中家 徹 林 修
2018年からJAグル―プサポーターに就任し、
その取り組みを間近で見てきた林先生と、
JA全中の中家会長が、社会的課題に対して
JAが果たしている役割について語り合いました。
東京大学法学部卒業。日本長期信用銀行勤務後、予備校
東進ハイスクール・東進衛星予備校の講師となる。同校の
テレビCMのセリフ「いつやるか?今でしょ」が大流行。2018
年から、JAグループサポーター。
JA全中(全国農業協同組合中央会)代表理事会長 林 修 プロフィール
中央協同組合学園卒業。2004年JA紀南組合長、2012年
JA和歌山中央会会長。2014年JA全中副会長。2017年8
月から現職。
中家 徹 プロフィール
【中家会長】林先生には、2018年から継続してJAグ
ループサポーターとして活躍していただいています。
2022年はどのようなことが印象に残っていますか。
【林先生】2022年はロシアによるウクライナへの軍事
侵攻が印象に残っています。
また、そのことによる世界的な食料品価格や資源価
格の高騰、物流の混乱などは私たちの生活に直結す
る課題として、一消費者としても不安を覚えました。
【中家会長】食料自給率が低く、食料の多くを輸入に
頼っている日本にとっては、食料輸出大国である両国
間の紛争は、まさに対岸の火事ではありません。
そうした状況に輪をかけて、昨今の円安や中国をはじ
め新興国の需要増加などの影響により食料は輸入し
ようにも他国に買い負けることも増えており、日本の食
料供給を取り巻く環境は決して安定しているとは言えま
せん。
【林先生】コロナ禍以降、食料安全保障の考え方に注
目が集まっている背景には、世界のそうした情勢が関係
しているのですね。
食料安全保障の実現に向けては、国内の農業生産
の増大を図ることを基本に、輸入や備蓄を組み合わせ
るということが、食料・農業・農村基本法にも定められて
いますが、同法は制定から20年以上経ち、世界の食料
需給や環境問題、SDGsなど制定時には想定されてい
なかった様々な課題や関心に対応するため、現在見直
しが行われていますね。
【中家会長】基本法の見直しにあたっては、農林水産
省の検証部会に私も委員として参加し、精力的に議論
しています。JAグループではこれまでも地域の農業振
興に取り組み、国内の農業生産を拡大することで、食
料安全保障における役割を果たしてきましたが、食料
安全保障への関心の高まりをふまえ、『国』民が必要と
して『消』費する食料は、できるだけその『国』で生『産』
し、食料自給率の向上を目指すという「国消国産」の考
え方を提起し、国民の理解醸成をすすめています。
このことは、JAグル―プサポーターである林先生に
も、発信していただいていますね。
【林先生】「国消国産」については、2022年10月にJA
JAが果たしている役割
Role 1 「食」の課題
こくしょうこくさん
A c t i v i t y r e p o r t o f J A G r o u p 3
全中主催で開催された食料安全保障のシンポジウム
において、一般参加者1万人以上を対象に「みんなの
食料安全保障」と題して考え方の説明をさせていただ
きました。
改めて、日本の食料安全保障の実現に向けては、生
産者だけでなく消費者の皆さんが状況を正しく理解し、
意識・行動を変えていくことが大切だと感じています。
【中家会長】そのとおりですね。冒頭のウクライナ情勢
等により、肥料をはじめ様々な農業生産資材や燃料の
価格も高騰し、農畜産物の生産費が上昇しています
が、農畜産物の価格は需給で決まるため、生産費をそ
のまま販売価格に転嫁できず農家の経営にとっても大
変厳しい状況です。現在、検証部会において、「再生
産可能な適正な価格形成」の実現に向けて仕組みづ
くりの必要性と国民理解の醸成を呼びかけています。
食料安全保障の実現に向けては、生産者側の努力
と併せて消費者の皆さんにもこうした実態を理解してい
ただき、持続可能な農業・農村のために応援したいと
思っていただけるよう、継続して情報発信に取り組んで
いく必要があります。
【林先生】私も一消費者として日本の農畜産物を食べ
て応援することはもとより、JAグループサポーターとして
の情報発信にも取り組んでいきます。
【林先生】JAグループでは、2021年10月に開催した
第29回JA全国大会で、「持続可能な農業・地域共生
の未来づくり」に向けた取り組みを決議されたと聞きま
したが、持続可能な農業のためには、農業従事者や農
地面積の減少への対応はまさに待ったなしの大きな課
題ですね。
【中家会長】そのとおりです。人口減少社会、とりわけ
農業界において、次世代の農業の担い手確保は喫緊
の課題であるため、JAグル―プでは、「次世代総点検
運動」を実施しています。
次世代総点検運動では、現状の担い手の年齢構造
や後継者等の状況を総点検し、確保すべき次世代の組
合員数などの目標を設定するとともに、事業承継等の個
別支援や新規就農者の育成・定着を支援することで、
次世代の担い手を確保することに取り組んでいます。
【林先生】持続可能な農業に向けて、事業承継等の個
別支援や新規就農者の育成・定着のために、JAではど
事業承継支援
に取り組むJAの割合
87.4%
2022年度
新規就農者への支援
に取り組むJAの割合
89.4%
2022年度
環境調和型農業への
取り組みを実施・予定するJAの割合
80.9%
2022年度
Role 2 「農」の課題
2022年10月13日に開催した「みんなの食料安保!10,000人シンポジウム」での林修先生のレッスン動画を視聴する参加者
移動販売車で住民支援
JAアグリあなんは
山間地域で買い物
に困る住民支援のた
め、移動販売車「ス
マイル号」を導入し、
那賀町上那賀地域
を月曜から金曜日まで巡回しています。
過疎地域で高齢化が進み、地元で商店などが少なく、
出かけていくことが困難な住民を誰一人取り残さないた
め、JAが新しい生活購買サービスで出向く体制を構築し
ました。食料品や日用雑貨品などを販売するとともに、
高齢者の安否や地域の安全を確認する見守り隊として
の役割も担っています。
徳島県・JAアグリあなん
事例紹介
「スマイル号」で買い物する住民
普段から緊急時までインフラ機能を発揮
移動スーパー展開
JA紀南は、中山間地
域の組合員からの要望
に応え、買い物が不便な
地域への支援と地域の
見守りを目的に、Aコープ
移動スーパーを運行して
います。2016年に車両2台で運行を開始し、その後組合
員などからの要望に応えて増車、23年3月時点で、車両
6台で管内17ルート、約230拠点まで拡充しています。
普段からの買い物支援にとどまらず、利用者の健康
状態の確認など地域の見守りも行うほか、19年には災
害で主要道路が通行止めになった地区に移動スー
パーを派遣するなど、緊急時にも生活インフラとしての
機能を発揮しています。
和歌山県・JA紀南
事例紹介
移動スーパーを利用する住民
のような取り組みをされていますか。
【中家会長】例えば事業承継支援では、後継者への営
農・経営相談や、後継者のいる担い手に対するセミ
ナー・訪問活動のほか、新規就農者支援では、営農計
画の策定や営農技術の定着に向けた支援などに取り
組んでいます。
このほかにも、JAグループでは持続可能な農業の実
現に向けて、SDGsや、脱炭素といった潮流のなか、政
府がすすめるみどりの食料システム戦略の推進をはじ
め、農業者の所得確保と環境負荷軽減の取り組みの
両立をすすめています。
【林先生】先ほどの食料安全保障にも繋がる持続可能
な農業の実現に向けて、一丁目一番地ともいえる担い
手の確保・育成、そして持続可能な農業生産の取り組
みにおいてJAグル―プは役割を果たしているのですね。
【林先生】「地域共生の未来づくり」を決議されたとのこ
とですが、人口減少は、とりわけ農村部では高齢化とと
もに深刻な課題で、中山間地や島しょ部では近くに
スーパーなどの生活インフラが撤退し、日々の買い物に
も苦労する住民の方が増えていますね。
【中家会長】地域の困りごとの解決を図ることも地域に
根ざした組織としてのJAの役割です。
私の地元、和歌山県のJAでも行っていますが、住民
が買い物に困っている地域では、移動販売車で住民
のところに出向き、食料品等を販売しているJAも数多く
あります。
【林先生】JAが地域の重要な生活インフラとして機能
していることは、農林水産省が実施した調査でも明らか
にされていましたね。
一方で、過疎地域を対象とした移動販売などは、事
業としてみたときには収支が厳しかったり、現場の負担
が大きかったりしませんか。
【中家会長】組合員や地域住民の方の多様化する
ニーズにJAが単独で応え続けていくことは難しいです
し、それぞれの地域における課題はJAのみで解決でき
るものばかりではないからこそ、行政や企業、団体、地
域運営組織等の多様な関係者との連携・関係強化を
通じて地域の課題解決に取り組んでいます。
【林先生】組織・分野の違いにとらわれず、関係者の協
同・共助をすすめることで解決していく姿は、まさしく協
同組合としてのJAの姿ですね。
今後とも「地域共生の未来づくり」に向けたJAの役
割発揮に期待しています。
Role 3 「地域」の課題
A c t i v i t y r e p o r t o f J A G r o u p 5
はじめに
協同組合・農業協同組合(JA)とは
協同組合とは、一人一人では経済的に弱い立場にある
個人や事業者が集まり、お互いに助け合って共通の目標を
達成するための組織です。
協同組合は産業革命による低賃金・長時間労働におか
れた貧しい労働者が集まり1844年に始まったロッチデール
公正先駆者組合が始まりと言われています。現在では100
を超える国に300万を超える協同組合があり、組合員数は
10億人を超えています。
株式会社は、1株1票制のもとで多くの株式を持つ人が運
営する権利を有するのに対して協同組合は、1人1票制のも
とで各組合員が運営者であることが大きな特徴です。
①協同組合とは
農業協同組合(JA)は、相互扶助の精神のもと、食と農を
基軸として地域に根ざし、持続可能な農業と豊かでくらしや
すい地域社会を築くことを目的に組織された協同組合です。
また、JA(ジェイエー)という名前は、「農業協同組合」の英
語表記の頭文字をとってつけられたニックネームです。シンボ
ルマークは緑のアルファベットのJとAを組み合わせたデザイ
ンで、どっしりとした大地と人と人のきずなのイメージを表した
ものとなっています。
2022年4月現在で、全国に551JAがあり、1000万人を
超える組合員が加入しています。
②農業協同組合(JA)とは
JAは、そうした目的の実現のため、多岐にわたる事業(総
合事業)を行っています。
農業者が育てた農畜産物をJAが集荷し、サイズ・品質・規
格を選別して安定的に出荷することで有利販売につなげる
販売事業や、スケールメリットを生かしてメーカーと交渉する
ことで、低価格で安全、良質な資材を仕入れて組合員に供
給する購買事業など、農業に関わる事業を行っています。
またそのほかにも、将来に備えての貯蓄・融資を行う信用
事業、万一に備えての保障を提供する共済事業、組合員や
地域住民の健康を守るための病院、診療所の運営を行う厚
生事業など、地域社会に貢献する事業を行っています。
③JAの総合事業
【組合員とJAの関わり】
購買事業 組合員
利用・加工事業
販売事業
その他生活に
関わる事業
市場・消費者
共済事業
営農・生活指導 信用事業
教育・広報活動
技術や経営の指導、
サポート、くらしの活動など
将来に備えての貯蓄、融資
学習会の開催、広報誌の発行、
新聞情報事業、出版・文化事業など
生産資材、生活資材の供給 万一に備えての保障
選果場等の施設利用、
農畜産物の加工
農畜産物の集出荷
医療・福祉事業、
健康増進活動、
旅行事業など
農畜産物の販売
JAグル―プは、国消国産の考え方
や自己改革の取り組み、JAや農畜
産物の情報等を、ホームページや
Youtube、Twitter、Instagram、
Facebook、TikTokで発信してい
ます。
JAグループは、市町村段階・都道府県段階・全国段階の
3段階で組織を構成しています。(一部、2段階)
JAは、市町村段階を事業領域としており、農業者・地域住
民が組合員となっています。
また、JAが会員となり組織しているのがJA連合会・中央会
です。都道府県を事業領域とする都道府県連合会・中央会
と、全国を事業領域とする全国連合会・中央会があります。
JAグループの組織
全中
全厚連
厚生連
日本農業新聞
家の光協会
農協観光
都道府県
中央会
全中
共済連
全農
農林
中金
経済連
信連
都 道 府 県
段 階
市 町 村
段 階
正組合員403万人
准組合員638万人
経済事業
信用事業
出版・文化事業
新聞情報事業
共済事業
厚生事業
代表・総合調整・経営相談などの事業
旅行事業
農畜産物販売事業、
生産資材購買事業など
貯金、農業融資、
住宅ローンなど
生命総合共済、建物更生共済
自動車共済など
JAグループの代表・総合調整・経営相談機能など
JAの旅行事業など
「日本農業新聞」の発行
と情報発信など
「家の光」の出版と
文化事業など
保健事業、医療事業、
高齢者福祉事業など
計1,041万人
( 2022年4月現在 )
JA(農業協同組合) 551
役職員 23万人
全 国 段 階
ホームページYoutube Twitter Instagram Facebook TikTok
A c t i v i t y r e p o r t o f J A G r o u p 7
P11へ
P12へ
P13へ
P10へ
REPORT DIGEST 本書に掲載しているJA自己改革の成果をダイジェストでご紹介します
農業の
さらなる発展・
成長のために
農業者のもとに出向き農業経営をサポートする
農業の担い手に出向く専任部署の設置
または担当者を配置するJAの割合
営農指導員数農業の担い手への訪問回数
81.1% 7.1回
約16,000人 年間171万回超
農業の担い手1 人当たりの
平均訪問回数
マーケットインに取り組むJAの割合
82.9%
実需者・消費者への直接販売
組合員からの買取販売60.4%
輸出に取り組むJAの割合46.0%
競合他社の価格調査分析
低コスト生産技術の普及
取扱い商品の集約
87.1%
自己取り・直送などによる
物流メリットの還元89.7%
86.2%
JAが所有している
ドローンの台数
ドローン研修会の
実施回数
ドローンの活用状況
180台202回
ICT,IoT,AgTechなどのスマート農業の
導入支援や活用に取り組むJAの割合
50.2%
マーケットインに基づき消費者・
実需者のニーズに応える
生産コスト低減に取り組むJAの割合
生産資材価格と生産技術の両面から生産コストを低減する
スマート農業による省力化で農業の働き方改革を実現する
89.2%
P16へ
P17へ P18へ P18へ
P14へ
P15へ
約15,200拠点
約1億5,500万人
739店舗
安心して
くらせる
地域社会の
ために
JAの事業・活動を通じて農業の応援団の輪を広げる
総合事業で組合員に寄り添い
生活インフラを支える
子育て支援の
拠りどころをつくる
JAの拠点数
自然と共存した環境保全型農業に取り組む
本店・支店 約6,900
事業所 約8,300
(JAファーマーズマーケット、
ガソリンスタンドなど)
雇用労働力確保支援農作業受託63.3%
JAの
女性正組合員の割合
JAの
女性役員比率23.1% 9.7%
買い物支援などの取り組み
移動購買車の導入98JA
子ども食堂へ食材を提供
しているJA数174JA
市民農園・体験型農園
に取り組むJAの割合30.0%
地域農業への理解促進
に取り組むJAの割合92.6%
労働力支援や新たな担い手の
育成支援で生産現場を支える
女性の活躍を推進
労働力支援に取り組むJAの割合
55.2%
88.1%
「農業振興の応援団」づくり
に取り組むJA の割合
販売金額が1億円以上の
JAのファーマーズマーケット
食農教育で次世代に
食と農をつなぐ
食農教育に取り組むJAの割合
87.1%
バケツ稲の取り組み人数
1,094万人
直売所
店舗数
のべ利用者数
90.1%
化学農薬の低減への取り組みを
実施・予定するJAの割合95.9%
化学肥料の低減への取り組みを
実施・予定するJAの割合
74.1%
温室効果ガスの排出削減への
取り組みを実施・予定するJAの割合63.3%
有機農業の取り組みを
実施・予定するJAの割合
環境保全型農業に取り組むJA の割合
子育て支援を
実施するJA数
119JA
化学
農薬
化学
肥料
ORGANIC
05 06
のべ
約
A c t i v i t y r e p o r t o f J A G r o u p 9
担い手法人会設立でJAと関係強化
JAごしょつがるでは、管内農家の高齢化や農地集積がすす
むなか担い手との情報交換を密にし、担い手の思いなどをJAの
経営に生かすため、「担い手法人会」を2020年に設立しまし
た。
同会では、農業情勢から資材の値段など幅広い範囲につい
て、年に3、4回意見交換会を行うほか、JAは地元行政と担い手
双方の窓口としての機能を果たすことで、2021年には全地球
衛星測位システム(GNSS)基地局を活用するための機械整備
などの助成を地元の五所川原市に連名で要請し、2022年から
供用が始まるなど成果を上げています。
農業者のもとに出向き
農業経営をサポートする
青森県・JAごしょつがる
農業の担い手に出向く専任部署の設置
または担当者を配置するJAの割合
営農指導員数
事例紹介
農業の担い手への訪問回数
JAは、地域農業を支える担い手に
対し、個別対応の体制を整備・強化
し、担い手の頼れるパートナーとして満
足度向上に向けて取り組んでいます。
全国の81.1%のJAが、担い手のも
とに出向く専任部署や担当者を配置
しています。また、農業経営のサポート
役である営農指導員は約1万6,000
人に上ります。担い手を訪問した回数
は年間171万回超に達しました。訪
問の際には、担当者や担当部門だけ
でなく常勤役員や関係部署が同行す
るJAも多く、総合事業を展開するJA
全体で一体となって担い手の課題解
決などを支援しています。
JAは、今後も出向く体制を強化し、
担い手のニーズの把握や情報の提
供、事業提案を行い、農業経営を支
え所得増大に向けたサポートを行って
いきます。
五所川原市長に要望書を手渡すJAと担い手法人会の関係者
2022年度
6.9回
81.1%
2022年度7.1回
2018年度
年間171万回超約16,000人
2022年度 2022年度
農業の担い手1 人当たりの平均訪問回数
JA グループの活動報告
農業のさらなる発展・成長のために
マーケットインに基づき
消費者・実需者のニーズに応える
マーケットインに取り組むJAの割合
82.9%
JAは、農畜産物の販売チャネル
の多角化や加工・業務用需要の増
大などの変化に対応し、マーケットイ
ンに基づく生産や販売をすすめてい
ます。
実需者・消費者への直接販売を
実施するJAの割合は、82.9%となっ
ており、農業者の所得増大に寄与し
ています。また、農業者からの農畜産
物の買取販売に取り組むJAの割合
は60.4%となり、2018年度から11.8
㌽増加しました。
JAは、新たな販路の開拓と海外需
要の取り込みをすすめており、輸出に
取り組むJAの割合は、46.0%となり
ました。
JAは、今後もマーケットインに基づ
く事業モデルを確立することで、農業
者の所得増大や農業生産の拡大に
貢献していきます。
実需者・消費者への直接販売
組合員からの買取販売
2022年度
69.5%
2018年度
60.4%
2022年度
48.6%
2018年度
輸出に取り組むJAの割合
46.0%
2022年度
31.9%
2018年度
桃・ブドウ・お米・黒枝豆など、選果場から
直接JA直売所お届け
JA晴れの国岡山は果実や野菜、米など県内広域の産地
から直売所に社内便(トラック)で届ける「晴ればれ直行便」
を始めました。2021年7月から桃を皮切りに県内各地の農
産物に拡大。桃やブドウは市場を経由せずに直接店舗に配
送されるため、より新鮮な果実が手頃な価格で購入できると
消費者に好評です。これまで取り扱いの無かった店舗にも
商品が並ぶことで直売所の品ぞろえも充実。販路が増え、
農業者の所得も向上しました。
岡山県・JA晴れの国岡山
事例紹介
「晴ればれ直行便」による桃の直売コーナー
A c t i v i t y r e p o r t o f J A G r o u p 11
肥料自己取り 好評で品目拡大
JAみやぎ登米は2017年から「基肥肥料の自己取り」を
行っています。6年目の22年は、組合員農家の要望に応
え、当初の8品目から品目数を増やし、11品目で実施しまし
た。
同取り組みは、農家があらかじめ予約注文した肥料を
22年3月から4月の決められた日に引き取ることで申込書
予約価格からさらに1袋当たり60円値引きしました。利用
者からは「必要な資材をより安く購入でき、生産コスト低減
に助かっている」と好評を得ています。
生産資材価格と生産技術の
両面から生産コストを低減する
宮城県・JAみやぎ登米
生産コスト低減に取り組むJAの割合
事例紹介
JAは、生産資材価格と生産技
術の両面から、トータルでの生産コ
スト低減に取り組んでいます。生
産コストの引き下げは農業者の所
得増大に直結するため、多くのJA
で地域の実態に合わせた対応を
行っています。
生産コスト低減の取り組みでは、
「競合他社の価格調査分析」につ
いては89.2%、「低コスト生産技術
の普及」については89.7%のJAが
実施しています。「取扱い商品の集
約」に取り組むJAの割合は86.2%
に達し、2016年度に比べ22.0㌽増
加しました。
JAは、今後も生産資材価格と生
産技術の両面からコスト低減の実現
に向けて取り組みをすすめ、農業者
の所得増大に貢献していきます。
89.2% 82.7%
競合他社の価格調査分析
89.7% 86.3%
低コスト生産技術
の普及
取扱い商品の集約86.2% 64.2%
2016年度 2022年度
2016年度 2022年度 87.1% 71.5%
自己取り・直送などによる
物流メリットの還元
2016年度 2022年度
2016年度 2022年度
JA グループの活動報告
農業のさらなる発展・成長のために
組合員の車に肥料を積み込むJA職員
JAが所有しているドローンの台数ドローン研修会の実施回数
ドローンの活用状況
48台180台
2019年度 2022年度 202回
2022年度
ICT,IoT,AgTechなどの
スマート農業の導入支援や活用に取り組むJAの割合
27.6% 50.2%
2019年度 2022年度
スマート農業による省力化で
農業の働き方改革を実現する
JAは、ドローン(小型無人飛行機)やロボットなど農業ICT
を活用したスマート農業により、省力化やノウハウの継承、
農業者の働き方改革をすすめており、50.2%のJAが取り組
んでいます。JAが所有するドローンの台数は180台となり、
2019年度から4倍近くになったほか、JAによるドローンの研
修会の実施回数は202回となりました。
AgVenture Lab
事例紹介
自動操舵で水田農業省力化
JAほくさいは、管内農家の高齢化や
後継者不足が現実となるなか、担い手
への農地集積等により規模拡大が進
む水田農業の省力化を目指していま
す。
農家やJA及び行政と研究会を立ち
上げて、無人田植え機や自動運転トラ
クターなどの実演会を開催する他、国の補助事業の事務
手続きを支援することで、無人田植え機や自動運転トラク
ターなど先端技術で労力軽減等を図るスマート農業の導
入を後押ししています。スマート農業機械の実演会を開催
する他、国の補助事業の事務手続きを支援。2022年度
には14経営体が17台のトラクター等に自動操舵システム
を取り付け、人工衛星から正確な位置情報を受け取るた
めの基地局も設置されました。規模拡大が進む水田農業
の省力化を進め、農家負担の軽減を図っています。
埼玉県・JAほくさい
無人で稼働する
田植え機
AgVenture Labは、JAグループ全国8組織が共同して、2019年に開設。スタートアップ企業やパートナー企業、大
学、行政等と協創し、様々な知見やテクノロジーを活用しながら、新たな事業創出、サービス開発、地域課題の解消
を目指しています。AgVenture Labは様々な農業系スタートアップ企業と連携し、地域農業の課題の解消に努めて
います。連携するスタートアップ企業の一例をご紹介します。
サグリ㈱は、衛星データを使って、土壌の特性、作物の生育状況を見える化す
るアプリ『Sagri』を提供します。同社は、土壌や作物に反射した目に見える光
や赤外線などから、土壌の特性や作物の生育状況を推定する技術を有して
おり、この技術を用い衛生データを分析。利用者は、アプリに圃場を登録する
ことで、土壌のpHや窒素、作物の生育状況等を色で確認することができ、肥
料の散布に役立つ情報を見やすく簡単に入手できます。
サグリ株式会社
『Sagri』利用画面
A c t i v i t y r e p o r t o f J A G r o u p 13
環境に配慮した、持続可能な農業の実践
JA北びわこでは、平成17年度より、化学肥料の窒素使用量・化学
合成農薬の使用成分数を一般的に使用される量の50%以下に削減
する米づくりの基準を取り入れてきました。
その結果、令和2年度には長浜市が環境保全型農業直接支払交
付金の全国トップ交付額となる等、環境保全型農業を実践する産地と
なりました。
JAでは、今後も環境保全型農業を通じて持続可能な農林水産業
の次世代継承と地域の活性化を目指していくこととしています。
滋賀県・JA北びわこ
事例紹介
JA グループの活動報告
農業のさらなる発展・成長のために
北びわこ米の生産に取り組む農家の方々
90.1%
化学農薬の低減への取り組みを
実施・予定するJAの割合95.9%
化学肥料の低減への取り組みを
実施・予定するJAの割合
74.1%
温室効果ガスの排出削減への取り組みを
実施・予定するJAの割合63.3%
有機農業の取り組みを
実施・予定するJAの割合
環境保全型農業に取り組むJA の割合
Ca s e 自然と共存した環境保全型農業に取り組む
05 JAは、SDGsやみどりの食料シ
ステム戦略、脱炭素といった世間
の潮流のなかで、環境に配慮した
農業生産に取り組むことを通じ、生
物多様性の保全や持続可能な農
業生産の維持をめざしています。
多様な防除資材の活用等によ
る化学農薬低減の取り組みは
90.1%のJAが実施中または実施
予定です。また、地域資源を活用し
た土づくり等による化学肥料低減
の取り組みは95.9%ものJAが実
施中または実施予定です。そのほ
かにも、電動農機の導入等を通じ
た温室効果ガス(CO2、N2O)の排
出削減の取り組みは74.1%のJA
が実施中または実施予定であり、
有機農業の取り組みは63.3%の
JAで実施中または実施予定であ
るなど、全国のJAで環境に配慮し
た農業の実践がすすめられていま
す。
JAグル―プは、地方公共団体
2022年度
化学
農薬
化学
肥料
ORGANIC
が作成するビジョン等との連携な
ど、行政・関係機関が一体となった
環境調和型農業の推進に一層取
り組んでいきます。
事例紹介
労働力支援 アプリで人材マッチング
JA筑前あさくらは、労
働力支援プロジェクトを立
ち上げ、様々な活動を展
開しており、その1つとし
て、短期で働ける人材を
マッチングする1日農業ア
プリサービス「daywork」
の普及推進に取り組んでいます。
2022年4月から、担い手農家訪問時にその場で、ダウ
ンロードから利用までをサポートし、労働力支援につなげ
ることで、農家からは、「農業に関心があるいい人材が集
まり、作業スケジュールに合わせてスポット的に雇用でき
る」と好評です。
福岡県・JA筑前あさくら
アプリを農家に紹介する職員
労働力支援や新たな担い手の育成支援で生産現場を支える
JAは、労働力不足が深刻化している生産現場を支える
ため、55.2%のJAで雇用労働力確保支援に取り組んでい
るほか、63.3%のJAで農作業受託に取り組んでいます。
農業生産の維持発展に向け、新たな担い手を育ててい
くために、89.4%のJAで新規就農者への支援に取り組む
ほか、87.4%のJAで事業承継の支援に取り組んでいます。
労働力支援に取り組むJAの割合
雇用労働力確保支援農作業受託
28.2% 55.2%
2016年度 2022年度
63.3%
2022年度
※有料・無料職業紹介事業およ
び労働者派遣法に基づく労働
者派遣事業の実施による支援
新たな担い手の育成支援に取り組むJAの割合
新規就農者への支援事業承継の支援89.4%
2022年度
87.4%
2022年度
23.1%
2022年度
農業分野で担い手が減少する中、近年、女性活躍が進んで
います。2021年度には新規就農者約5.2万人のうち約4分の1
を女性が占め、女性農業者が着々と増加しています。
JAの女性正組合員の割合も2022年には23.1%となったほ
か、JAの女性役員比率は9.7%となりました。
また、第29回JA全国大会では、第5次男女共同参画基本
計画の実践と女性の意見を反映したJA運営に取り組むため、
女性のJA運営参画目標として、女性比率正組合員30%以上、
理事等15%以上を掲げています。
JA運営への参画を
通じて女性農業者の
活躍を後押し女性組合長が誕生 明るい職場づくりへ
JAなのはなでは2022年3月、全国でもあまり例が
ない女性の組合長が誕生しました。代表理事組合
長に就いたのは、JAなのはなの職員を2009年に退
職後もJAの活動に尽力し、同JA女性部長や富山
県女性組織協議会会長として地域やJAをけん引し
てきた谷井悦子さんです。
谷井組合長は「明るい職場づくりが最優先」と話
します。その上で、「女性が利用しやすく、働きやすい
JAに変えていくことも私の役割」と意気込みます。
富山県・JAなのはな
事例紹介
JAの女性正組合員の割合JAの女性役員比率
06
9.7%
2022年度
JAなのはな女性部が開発を進めた
「発酵たまねぎ万能調味料」をPR
する谷井組合長㊥
A c t i v i t y r e p o r t o f J A G r o u p 15
JA グループの活動報告
安心してくらせる地域社会のために
直売所
市民農園・体験型農園
に取り組むJAの割合
JAの事業・活動を通じて
農業の応援団の輪を広げる
JAは、准組合員や地域住民に地
域の農業と豊かな食文化への理解
を広め、「農業振興の応援団」となっ
ていただけるよう、地域農業との接
点づくりに取り組んでいます。
具体的には、ファーマーズマー
ケットは、消費者と農業者を直接つ
なぐ重要な拠点となっているほか、農
業まつりや各種イベント、援農ボラン
ティアなどを通じて「農業振興の応
援団」づくりに取り組むJAの割合
は、88.1%にも上っています。
また、JAの各事業の利用者に対
して、地元農畜産物や農産物の収
穫体験などを提供する農業応援金
融商品は、幅広いJAで取り扱ってい
るほか、3割のJAが市民農園や体
験型農園に取り組んでいます。
今後もJAは、准組合員や地域住
民に、地元の農畜産物を知り、食
べ、そして作っていただく機会を提供
し、「農業振興の応援団」の輪を日
本中に広げていきます。
24.1%
2018年度
88.1%
2022年度
30.0%
2022年度
739店舗
2022年度
約1億5,500万人
2022年度
地域農業への理解促進
に取り組むJAの割合
92.6%
2022年度
販売金額が1億円以上の
JAのファーマーズマーケット
店舗数
のべ利用者数
「農業振興の応援団」づくり
に取り組むJA の割合
※食べて応援、作って応援、働いて応援を通じて「農業
振興の応援団」づくりの活動に取り組むJAの割合
タマネギの収穫を通して農業の理解を促進
JA松本ハイランドでは、
2022年11月、青年部塩
尻支部がJA職員とともに
地域住民との食農交流イ
ベント「玉ねぎ収穫祭り
(2023年6月開催予定)」
に向けた、約4万株のタマネギの定植を行いました。
前回の収穫イベントが盛況だったことを踏まえ、栽培
面積を3.6倍の18㌃に拡張。支部長は「地域の方に農
業の楽しさや食の喜びを知ってもらいたい」と話していま
す。今後も収穫体験等のイベントを通じて地域住民との
つながりを深め、「農業振興の応援団」を拡大していきま
す。
長野県・JA松本ハイランド
JA職員とともにタマネギの定植をおこなう
支部長(左)ら
事例紹介
「あすなろう塾」で農業の技術や知識習得
JA三次では、農業を志す人た
ちに、農業生産や経営の基礎的
な技術や知識を学んでもらい、就
農につなげる取り組みとして、広
島県北部農業技術指導所と連
携して農業塾「あすなろう塾」を開
いています。2001年に開校し、毎年20人程が受講。22
年までに447人が修了しました。
22年は直売所用の栽培や販売の基本を学ぶ基礎
コースと、ハウス栽培や販売を学ぶ専門コースを開講。
最終講義では今後の目標や営農計画書を作りました。
卒業生の中にはJAの振興作物を作って直売所に出
荷する人も増えています。
広島県・JA三次
定植作業を実演するJA職員
事例紹介
買い物支援などの取り組み
J A の拠点数
移動購買車の導入
総合事業で組合員に寄り添い
生活インフラを支える
98JA
2022年度
移動購買車の利用者(年間)
2022年度
約110万人のべ
2022年度
902カ所
JA施設を含む「小さな拠点」の数
※全2,204カ所のうち40.9%
JAは、総合事業を営むことで組合
員の営農とくらしを支えるとともに、全
国に約15,200ある事業拠点で地
域住民が必要とする生活サービスを
提供しています。
また、過疎高齢化が進んでいる中
山間地のJAを中心に、買い物の拠
点となる店舗づくりや移動購買車の
導入、信用事業を行う移動金融店
舗車の導入をすすめています。
2022年度のJAの移動購買車の利
用者はのべ約110万人に達しました。
JAは、子ども食堂の支援にも取り
組んでいます。独自での開設・運営や
地域の協同組合などとの連携、食材
提供、組合員組織(女性部、青年部)
によるサポートなど、地域の実態に応
じて支援しています。
JAは、今後も、組合員と地域に必
要とされる生活インフラ機能の一翼
を担い、安心してくらせる地域社会
の実現に取り組んでいきます。
子ども食堂へ食材を提供
しているJA数
店舗に機能を集中し、地域の「インフラ」を守る
JA新すながわの
「エーコープないえ店」
は、老朽化した施設を
2015年に建て直す
際、奈井江町と商工
会、JAが連携して、交
流スペースや経営相
談ができる商工会の窓口を設けました。
同店のある奈井江町の人口は5千人ほどで、人口に
占める65歳以上の割合は42%と全国平均の29%を
大きく上回るなか、地域住民等の休憩・交流機能ととも
に生鮮・日用品販売機能を併せ持ったこの施設は、住
民の生活基盤を維持するうえで不可欠なものとなってい
ます。
北海道・JA新すながわ
事例紹介
生鮮品を選ぶ町民
旧支店を地域の拠点に
JAぎふは2022年、支店
再編の統合により岐阜市と
羽島市の旧6支店の新たな
活用をめざして、地域住民の
利便性向上のため、地域の交流拠点「ふれあいプラ
ザ」として新装開店しました。多目的スペースや料理ス
ペースを設け、さまざまな活動を通じて地域住民が交流
できる空間となっています。
各プラザでは、SNSや毎月発行される「プラザだよ
り」による情報発信強化を行うことで、少人数で行う料
理教室やスマホ教室から1日に1,000人を集めるなど
多岐にわたるイベントが行われ、組合員以外の若い世
代の利用にもつながるなど、組合員や地域住民の交流
の場となり、地域の活性化につながっています。
岐阜県・JAぎふ
事例紹介
37JA
2018年度
174JA
2022年度
SNSを通じて作家や飲食店と
繋がった農業祭
2022年度
約15,200拠点 本店・支店 約6,900
事業所 約8,300
(JAファーマーズマーケット、ガソリンスタンドなど)
A c t i v i t y r e p o r t o f J A G r o u p 17
放課後児童クラブで働く親をサポート
石川県・JA小松市
事例紹介
体験者は18年で1000人以上!
親子参加可能な「農業の学び場」を提供
JA愛知東が企画
する「こども農学校」
は、1年間の農業体
験を通じて、小学生
に食と農の大切さを
教えています。JA職
員が先生役となり、毎年3~6年生60人を対象に全10
回開講し、子育て世代とJAの交流の場を創出。卒業生
のJA職員も誕生しています。
活動は日本の棚田百選の1つである千枚田での田
植え・稲刈り・脱穀体験の他、畑でサツマイモなどを育
て、農業の苦労や地元食材を調理する楽しさを伝えま
す。調理はJA女性部員も協力しています。
愛知県・JA愛知東
事例紹介
放課後に「松東児童クラブ」を
利用する児童ら
サツマイモの植え方を教えるJA職員(右)
JA小松市が介護事業
を行うために設立した社
会福祉法人ジェイエイ小
松福祉会は、松東児童ク
ラブ(放課後児童クラブ)
を運営しています。
松東地区の小中学校の統合に伴いクラブの運営主
体がなかなか見つからないなか、JAが手を挙げました。
在校生200人弱のうち、約60人が利用し、JAらしく
食農教育にも力を入れた学童保育の提供を通じて、働
く親を支援することで、暮らしやすい地域づくりに貢献し
ています。
JA グループの活動報告
安心してくらせる地域社会のために
Ca s e 食農教育で次世代に食と農をつなぐ
03
Case
04
JAは、地域の食・料理・花、ごはんを中心とした日本型食
生活、地産地消と「国消国産」、農業・農村の伝統文化や
歴史など「食」と「農」に関する幅広い学習を含めた食農
教育に取り組んでいます。
食農教育に取り組むJAの割合は87.1%となっており、子ど
もを対象とした取り組みのみならず、子育て層、中高年層、リタ
イヤ層など、各世代のライフスタイル・興味関心に即した幅広
い世代を対象とする食農教育を展開しています。
なかでも、バケツでお米づくりを体験できる「バケツ稲づ
くりセット」の配布は2022年度で第35回となり、取り組ん
だ人数はのべ1,094万に上ります。
食農教育
に取り組むJAの割合
バケツ稲の
取り組み人数
1,094万人
119JA
2022年度
87.1%
2022年度
66.1%
2018年度
子育て支援の拠りどころをつくる
子育て支援を実施するJA数
JAは、子育て中の親と子どもの交流の場を開設し、地
域で子育て支援を行っています。
子育て支援は、子育て中の親の不安や悩みの解消、リ
フレッシュが目的で、親子を対象として農業体験活動や料
理教室等の食農教育を展開するJAもあります。
全国の119JAで子育て支援を行っており、子どもの居
場所づくりや親が働きやすい環境づくりにも貢献していま
す。
2022年度
のべ
約
JA グループの活動報告
全国連の取り組み
“食と農”の分野で積極的な投融資
農業者の所得増大に取り組む
農業者の資金ニーズは、農業経営
の種類、規模、経営形態等によって
様々です。JAバンクでは、地域の農業
者と向き合うJAと、それを支援・補完す
る信連・当金庫が一丸となって、多種
多様な資金ニーズに応えています。
JAバンクの農業関連の融資残高に
関しては、JAバンク自己改革の取組開
始以降、農業融資新規実行額・取引
者数ともに着実に増加しています。
また、技術力はあるものの資本不足
である農業法人や関連業者に対し、
財務を安定化させる出資を行うなど、そ
れぞれの成長ステージに応じた資金の
供給にも積極的に取り組んでいます。
その結果、JAグループと日本政策金融
公庫が共同で設立したアグリビジネス
投資育成を通じた出資件数・出資金額
も着実に増加しています。
加えてJAバンクでは、担い手が抱え
農林中央
金庫
新規実行額(長期)
2015年度2021年度
2,679億円 3,822億円
農業融資
る経営課題に対するニーズに応じた資
金提供や課題解決の実現など、農業
者の所得増大に向けたコンサルティン
グ活動等に取り組んでいます。
農業法人金融取引社数
2015年度2021年度
5,875社 9,864社
累計出資金額
2015年度2021年度
55億円 110億円
アグリビジネス投資育成㈱を
通じた農業法人等への出資
累計出資件数
2015年度2021年度
351件 632件
青果物流通の課題解決に向けたバリューチェーン構築に向け
て、当金庫は、全農・株式会社ファーマインドとの間で資本提携契
約を締結しました。JAグループ・ファーマインド双方の強みを活か
し、全国に展開する集出荷機能と、青果物の予冷・貯蔵のコールド
チェーン機能を相互活用することで、品目ごとの最適な環境で鮮度
を維持し、生産者の所得向上ならびに青果物の安定供給を図るな
か、当金庫もファイナンス面で支援しています。
担い手へのコンサルティング活動
当金庫支店の融資先で、蓮根を生産している農業法人「株式
会社カワカミ蓮根」に対してコンサルティングを実施しました。当社
の経営ビジョンを踏まえ、当金庫や系統組織の強みを活かし、海外
市場を含む販路拡大や地域貢献を切り口としたソリューションを提
案しました。足元、徐々に成果が出てきており、とくに重要なテーマ
の一つとして掲げた海外市場の開拓について、当金庫の紹介によ
り香港向けの青果の輸出が実現しました。
今後も、提案したソリューションの進捗や発現効果等をフォロー
し、当社事業の拡大、農業所得向上に向けたサポートを継続する
予定です。
青果物価格・数量の安定化に向けたバリューチェーン構築支援
当該法人の圃場
スキーム
A c t i v i t y r e p o r t o f J A G r o u p 19
JA グループの活動報告
全国連の取り組み
持続可能な農業と食の
JA全農 提供に向けた取り組み
1.販売事業
全農では、生産者手取りの確保・農
業経営の安定に向けて、実需者への
直接販売や物流の効率化・省力化に
取り組んでいます。
米穀事業では、直接販売は2021年
産実績で160万トン、買取販売は69
万トンとなる見込みです。また、物流の
効率化・省力化の取り組みとして、全
農統一フレコンおよび紙袋のパレット
輸送の拡大に取り組んでいます。
園芸事業では、JA全農青果セン
ター(株)や県本部の直販関連施設等
を通じた直接販売が着実に伸長してい
ます。また、県域を越えた共同輸送や、
選別・調整作業等生産者の労力軽減
に資する冷蔵・包装加工機能を具備し
た広域集出荷施設の整備に取り組ん
でいます。また、外部企業と連携し、産
地に保管・貯蔵施設を設置し、産地か
ら実需者までを一貫したコールドチェー
ンでつなぐ、新たな流通スキームを構築
中です。
さらに、実需者のニーズを踏まえた
マーケットインのさらなる事業展開に向
け、営業開発部を中心とした実需者へ
の営業強化や、魅力ある国産地域原材
料の発掘・活用に向けた商品開発、中
食・外食サプライヤー等実需者への出
資・業務提携による関係強化に取り組
んでいます。また、カボチャやブロッコリー
など園芸における加工・業務用向け栽
培品目・品種の生産提案による、輸入
青果物の国産への置き換えと国産供給
体制の整備等にも力を入れています。
また、資材原料の高騰により生産コ
ストが増高するなか、適正価格の形成
に向けて、実需者に対する価格転嫁
の働きかけや消費者への理解促進に
取り組んでいます。米穀・園芸事業で
は、取引先団体に対して、生産費高騰
の実態を説明し、米や青果物の適正な
価格形成と消費拡大に向けた要請を
実施しました。また、国産農畜産物の
消費拡大に向けて、SNSや行政・企業
2017年度
直接販売実績(米穀) 商品開発と連動した生産振興
国産原材料を使用した新たな商品開発
消費者への理解醸成の取り組み
107万トン
2018年度125万トン
2019年度132万トン
2021年度160万トン
2017年度
直接販売実績(園芸)
3,243億円
2019年度3,617億円
2018年度3,497億円
2020年度142万トン
2020年度4,079億円
2021年度4,044億円
と連携した広報活動に取り組んでいま
す。酪農事業では、生乳需要の維持・
拡大に向け、乳業と連携した牛乳の販
売拡大や飲料各社との新製品の開発
に取り組んでいます。生産量と消費量
の季節的な需給ギャップに対応するた
め、需給調整機能の強化に取り組むと
ともに、生乳流通や酪農業界のおかれ
た状況を生産者の方と積極的に発信
するなど理解醸成活動にも力を入れて
います。
(見込み)
ほめられかぼちゃ
産地:15県33JA
大玉ブロッコリー
産地:15県25JA
ニッポンエール 累計225商品(令和4年12月末時点)
こめカリッキャンディドライフルーツゼリーグミ
牛乳を使った商品開発・事業応援による
理解醸成・消費拡大
おコメ食べて笑おうプロジェクト
業界・業種の垣根を超えて連携し、
「お米」に関する様々な事業やPR
活動を通じて、興味・関心の喚起と
消費拡大に貢献する事業を推進
SNSでの理解醸成
本会ツイッターでの
消費拡大に向けたツイート
肥料の銘柄・規格集約(一般化成肥料の集約)
農薬の担い手直送規格の拡大
トラクターの共同購入(取扱実績)
2.購買事業
全農では、原料の調達競争が激化す
るなか、海外原料の安定調達や、国内
資源の有効活用、肥料の銘柄集約や
共同購入などによる生産コスト低減に
向けた取り組みをすすめています。
生産資材事業では、コスト低減に向
けて、一般化成肥料の銘柄集約、農薬
の担い手直送規格の拡大などに取り組
んでいます。このほか、生産者の声を反
映した農機の共同購入に取り組んでい
ます。農機の共同購入では、大型・中型
トラクターに続き、コンバインの共同購入
に向けた取り組みを開始しました。また、
安定供給に向けては、肥料原料の調達
国の切替や、海外肥料原料の代替とし
て、肥料メーカーと連携した地域資源活
用、適正な施肥の実施に向けた、土壌
分析センターでの施肥診断の推進に取
り組んでいます。
飼料事業では、海外子会社施設の
整備・拡充や、港湾整備などにより、安
定的・効率的な飼料原料の調達体制
を構築しています。2021年7月には、
米国・全農グレイン(株)が穀物メジャー・
バンゲ社から内陸集荷施設を取得し、
2018年3月に完成した船積能力拡充
と合わせて米国での飼料調達力の強
化に取り組んでいます。さらに、ブラジ
3.生産基盤の確立
①スマート農業の普及
農業就業人口の減少や担い手の経営
規模拡大に対応するため、経営効率化や
生産性向上に資するICT等の革新的技
術の導入に取り組んでいます。
2018年に運用を始めた「Z-GIS」では、
電子地図上で圃場ごとに品種や生産履
歴、農作業などの情報を入力し、地理情
報と栽培データを一括管理できます。
また、2021年にはBASFデジタル
ファーミング社の栽培管理支援システ
ム「ザルビオフィールドマネージャー」を日
本に導入し、Z-GISとの連携をすすめて
おり、さらなる利用促進と普及拡大を目
的に「Z - G I S・ザルビオ活用ガイド
2022」を作成しました。
2017年度2021年度
2018年度~2021年度累計:取組完了
約550銘柄24銘柄
2016年度2021年度
2.1万ha 25.5万ha
2,214台
共同購入トラクター(中型)
大型(60馬力)
子実とうもろこしの栽培実証
[子実とうもろこし導入の意義]
経営面積拡大、大豆の連作障害対策、
耕畜連携の促進
2020年度~2022年度12月末時点累計
3,411台
中型(33馬力)
※担い手直送規格:通常規格に比べて2~3割割安な価格設定
※普及率:5ha以上の国内水稲作付面積に占める農薬使用面積
換算量の割合
※標準的な他社モデルに比べ、2割程度の生産者価格引き下げを実現
2016 2017 2018 2019
2.1
万㌶
5.3
万㌶
10.4
万㌶
15.4
万㌶
2020 2021
20.2
万㌶
「 Z-GIS」と「ザルビオフィールドマネージャー」との連携
②労働力支援
パートナー企業連携による農作業請
負や、農福連携等により、異業種や一
般の方々を含む多様な人材が農業に
関われる仕組みづくりをすすめ、生産者・
JA事業の維持拡大を支援し、生産基
盤の維持に向けて取り組んでいます。
また、行政・関係団体と連携し、ブ
ロック別および全国に労働力支援協
議会を設置し、各県の取組状況やノ
ウハウ・課題の共有、将来的にはブ
ロック内連携による県域を越えた支
援、全国的な検討・実践をすすめてい
きます。
11品目29品目43品目
62品目
77品目
25.5
万㌶
88品目
品目数
(普及率4%) (普及率39%)
ル、カナダでも内陸集荷から輸出まで
の一貫した穀物調達体制を整備し、産
地多元化に取り組んでいます。
また、海外に依存する飼料の代替と
して、JA・本会グループ飼料会社と連
携して子実とうもろこしの栽培実証に
取り組んでいます。
播種作業 収穫作業
A c t i v i t y r e p o r t o f J A G r o u p 21
JA グループの活動報告
全国連の取り組み
保障提供と地域貢献活動を通じ
持続可能な農業と地域社会に貢献
JA
共済連
組合員や地域住民が豊かで安心し
て暮らせる地域社会を目指して、ひと・
いえ・くるま・農業に関する保障の提供
に加え、様々な地域貢献活動を行って
います。
2016年度に「地域・農業活性化
積立金」を創設し、従来から実施して
いた健康管理・増進活動や災害救
援、交通事故対策活動などに加え
て、地域の実情に応じた「くらしや営
農」に関する活動にも注力。2016年
度から2021年度までの6年間におけ
る各県域の活動件数は約2万8,000
件(累計)にのぼりました。「くらし・営
農」に関する活動としては、食育イベン
トや農業体験の開催支援の他、農作
業効率化の支援や農業高校への支
援などを実施しています。
農業を取り巻くリスクが増大・多様
化している状況を踏まえ、JAグルー
プ各団体と連携し、農業者の皆さま
に農業を取り巻くリスクをお知らせす
る「農業リスク診断」を実施していま
す。2022年4月には、農業者に共通す
るさまざまな賠償リスクについて一体的
に保障する「農業者賠償責任共済
ファーマスト」を新設しました。
また、事故が起こった際の保障の提
供だけでなく、「農作業事故の未然防
止」をリスク対策の両輪と位置付け、
「農作業事故体験VR」を活用した学
習プログラムなどを通じ、農業者の皆さ
まの安全確保、リスク軽減・回避につな
がる活動に取り組んでいます。
2.地域・農業の活性化に
向けた取り組み
1 .農業リスクに
関する取り組み
「飛騨ミート農業協同組合連合会
コンソーシアム」の設立総会
農業リスク診断システム画面
食育イベントの開催 農業高校への実習用農業機械の寄贈
農作業事故体験VR映像
JA全中「全JA調査」、農林中央金庫・JA全農・JA共済連・JA全中調べ、農林水産省「農林水産統計 令和3年新規就農者調査結果」、
内閣府「令和4年度小さな拠点の形成に関する実態調査」
出典 ※本書は、以下の調査などを参考にしています
徹底した対話を通じて組合員の声をJA運営・自己改革に反映
JAそお鹿児島では、生産部会や集落座談会をはじめとする各種会合や役職員による
組合員訪問・巡回など、組合員との多様な接点を活かして対話に取り組んでいます。特
に、担い手に出向く専任部署の全国の先駆けで20年以上の歴史を持つTAFメンバー
は、組合長の同行訪問も含め年間のべ4,000回に及ぶ訪問・巡回を通じて担い手農
家等からの意見・要望の汲み上げや事業提案を行っています。
そのことに加えて、今年度からはモニター制度を通じて准組合員の意見等の把握にも
取り組むことで、組合員と一体となったJA運営・自己改革の実践に力をいれています。
鹿児島県・JAそお鹿児島
事例紹介
法人農家と対話する竹内組合長㊨とTAF職員㊥
不断の自己改革によるさらなる進化
JAグル―プでは、2014年11月以降「農業者の所得増大」、
「農業生産の拡大」、「地域の活性化」の3つを基本目標に掲
げ、各地で創意工夫ある「自己改革」に取り組んできました。
2021年に開催した第29回JA全国大会では「不断の自
己改革によるさらなる進化」として、その取り組みの継続強
化を決議しています。
3つの基本目標の達成に向けては、「組合員との対話」を
基本にJAへの信頼を高め、継続して関係を強化するととも
に、その声をJAの事業・活動につなげることで、着実に改革
をすすめています。
①自己改革の3つの基本目標
それぞれのJAでは、全国一律の取り組みを行うのではな
く、組合員との徹底した対話によりそのニーズを把握し、組合
員が必要とする施策を「自己改革工程表」等としてとりまと
め、実践しています。
また、取り組みのPDCAサイクルとして、組合員の評価を
ふまえ、さらなる対話により「自己改革工程表」等を見直すこ
とで、取り組みの進化を図る自己改革実践サイクルに取り組
んでいます。
②対話に基づく自己改革実践サイクル
【不断の自己改革の実践イメージ】
対話・評価の把握
3つの方針等の決定 売上増加の取り組み
経営基盤の確立・強化
コスト低減の取り組み
組合員との徹底した
話し合いにより
取組施策等を見直し
自己改革の取組実績を伝え
組合員の評価を聴く取り組み
(話し合い・各種調査等)
新たな(見直した)取組施策を
組合員へ伝え・共有する取り組み
●取組実績についての
組合員の評価やさらな
るニーズの把握
●組合員や地域、JA経
営環境の変化等をふ
まえ、取組施策を点検・
見直し
●3つの方針等を自己改
革工程表にとりまとめ
●自己改革工程表等にも
とづく取り組みの実践
●JA内部における進捗
管理
組合員へ自己改革の
取組状況等を
伝える取り組み
D
実行
所得KPI設定
①自己改革実践の具体的な
方針
③准組合員の意思反映等の
方針
②シミュレーション・基盤強化
C
評価
A
改善
P
計画
これからも
A c t i v i t y r e p o r t o f J A G r o u p 23
無断転載禁止
協同組合原則
協同組合とは、人々が自主的に結びついた自律の団体です。人々が共同で所有し民主
的に管理する事業体を通じ、経済的・社会的・文化的に共通して必要とするものや強い願
いを充すことを目的にしています。
1. 定義
協同組合は、自助、自己責任、民主主義、平等、公正、連帯という価値に基づいていま
す。組合員は、創始者達の伝統を受け継いで、正直、公開、社会的責任、他者への配慮と
いう倫理的な価値を信条としています。
2. 価値
3. 原則
〈第1原則〉自主的で開かれた組合員制
〈第2原則〉組合員による民主的な管理
〈第3原則〉組合財政への参加
〈第4原則〉自主・自立
〈第5原則〉教育・研修、広報
〈第6原則〉協同組合間の協同
〈第7原則〉地域社会への係わり
わたしたちJAの組合員・役職員は、協同組合運動の基本的な定義・価値・原則(自主、
自立、参加、民主的運営、公正、連帯等)に基づき行動します。そして、地球的視野に立っ
て環境変化を見通し、組織・事業・経営の革新をはかります。さらに、地域・全国・世界の協
同組合の仲間と連携し、より民主的で公正な社会の実現に努めます。
このため、わたしたちは次のことを通じ、農業と地域社会に根ざした組織としての社会的
役割を誠実に果たします。
わたしたちは、
1 地域の農業を振興し、わが国の食と緑と水を守ろう。
1 環境・文化・福祉への貢献を通じて、安心して暮らせる豊かな地域社会を築こう。
1 JAへの積極的な参加と連帯によって、協同の成果を実現しよう。
1 自主・自立と民主的運営の基本に立ち、JAを健全に経営し信頼を高めよう。
1 協同の理念を学び実践を通じて、共に生きがいを追求しよう。
JA綱領わたしたちJAのめざすもの
発行/ JA全中(一般社団法人 全国農業協同組合中央会) https://www.zenchu-ja.or.jp
2023年3月